神奈川歯科大学大学院統合医療学講座倫理綱領

神奈川歯科大学大学院統合医療学講座(以下、本講座)は、本講座受講生が尊重し、遵守すべき倫理綱領として、以下の条項を定める。

第1章 基本方針

(基本理念)

第1条

本講座の基本理念は以下の通りであり、本講座受講生は同意するとともに、遵守しなければならない。

  1. 統合医療を実施するにあたって、常に利用者(患者その他)の利益を最優先する。
  2. 統合医療を実施するものは、自らの専門性の範囲内で治療あるいは診療行為を行う。
  3. 統合医療を実施するものは通常医療(西洋医学)、非通常医療(補完代替医療)を問わず最適な医療を提供する。
  4. 統合医療を実施するものは最良の医療を提供するために、他の医療従事者と積極的に協力する。

(名誉と信頼)

第2条

本講座受講生は、本講座の名誉と信頼を尊重する。

(研鑽義務)

第3条

本講座受講生は、自らを向上させるため、常に、統合医療を積極的に学び、さらに統合医療研究を推進し、統合医療の普及と高揚に努める。

(活動範囲)

第4条

本講座受講生は、自らの専門性の範囲内で活動しなければならない。

(後進の教育)

第5条

本講座受講生は、後進の育成に最善を尽くすと共に、医療の混乱を避けるため、自らの専門性の範囲を逸脱した教育は行わない。

(公共発表)

第6条

本講座受講生は、統合医療に対する誤解や問違った知識の普及を避けるため、マスメディア(新聞・公共雑誌・テレビジョン・ラジオ・インターネットなど)への発表は本倫理綱領第1条から第3条までの基本的な方針にそって行う。

第2章 行動規範

(個人の人権の尊重)

第7条

本講座受講生は、統合医療を実施するにあたって、個人の人権を尊重し、又、人種、国籍、信条、性別、年齢、社会的地位により差別をしない。

(社会に対する責任と貢献)

第8条

本講座受講生は、統合医療を通じ、社会の利益と福祉に貢献する統合医療のあり方を、常に検討し、実現するよう努める。

(Shared Decision Making)

第9条

統合医療の実施にあたっては、必ず、利用者と提供者(本講座受講生)による意思決定の共有(Shared Decision Making=SDM)を実践する。提供者は自主的判断や自己決定できる環境を整え、提供者の情報とともに、患者からの情報も含め、患者のニーズに基づき話し合いを重ねて協働で意思を決定する。

(自己決定権の尊重)

第10条

統合医療の実施については、利用者本人の決定が尊重されなければならない。利用者本人の決定が困難である場合も、その利用者の利益と福祉を保護する決定がされるよう努める。

(守秘義務)

第11条

本講座受講生は、問診等、職務上知り得た個人情報は、厳重に管理し、利用者が不利益を被る事態は避けなければならない。

(能カとその限界)

第12条

本講座受講生は、常に自らの能力を把握し、その範囲内で職務を行う。自らの能力を越える事態に直面した場合は、すみやかに適切な対応を取らなければならない。

(科学的姿勢)

第13条

本講座受講生は、その職務にあたり、常に科学的姿勢を尊重する。

(国際杜会との連帯)

第14条

本講座受講生は、日本のもつ杜会や文化の独自性を尊重しつつ、国際社会と連帯し、各国の統合医療従事者や学術研究者とともに、統合医療の意義ある発展に寄与していく。

(研究とその公表に伴う責任)

第15条

本講座受講生は、職務上知り得た個人情報を研究・教育・学習活動において利用する場合、その個人や協力者の同意を得るとともに、その目的以外に利用してはならない。また、その研究と公表にあたっては、虚偽や誇張があってはならない。

(広告宣伝)

第16条

本講座受講生は、統合医療の広告宣伝にあたっては、良心にもとづいて行い、虚偽や誇張があってはならない。

(遵守義務)

第17条

本倫理綱領を遵守することは、本講座受講生の義務である。

(罰則)

第18条

本講座受講生による本倫理綱領に反する行為が認められた場合、本学による履修修了証明書は失効となる。

第3章 附則

(施行の開始)

第19条

本倫理綱領は、令和4年4月1日から施行する。